昨年12月からより一層の野菜価格の高騰が大きな課題となっています。この影響は家庭のみならず、業務用野菜を取り扱う食品仕入れ担当者にも深刻な影響を及ぼしており、業界全体でその対策を講じる必要性が高まっています。特に、消費者の健康を支えるために野菜の安定供給は不可欠であり、供給の不安定さや高騰の原因を理解し、それに対する実践的な対策を取ることが求められています。今回は、2025年に向けての野菜価格高騰の主な原因と、それに対する具体的な対策を詳細に解説し、食品仕入れのご担当者への一助となりますようにご紹介しています。
野菜価格高騰の原因
昨年から続く野菜価格の高騰は、複数の要因が絡み合った結果として発生しています。これらの要因は、気候変動による生産量の不安定化、輸送コストの上昇、需要と供給の不均衡などが挙げられます。
●気候変動による生産量の不安定化
近年、異常気象や自然災害が頻発し、これが農作物の生産に大きな影響を与えています。特に野菜は気温や降水量に敏感な作物が多く、これらの異常気象によって収穫量が安定しないことが、価格高騰の原因の一つとされています。例えば、2024年の夏は異常高温が続き、多くの野菜の成長に影響を与え、特に葉物野菜や根菜類に深刻な影響を与えました。これにより、供給が不足し、価格が急騰しました。
●輸送コストの増加
燃料価格の上昇や、物流業界の人手不足も野菜価格に影響を与えています。野菜は生鮮食品であるため、迅速に市場に届ける必要があり、輸送費の増加はそのまま卸価格に転嫁されます。また、国内の主要産地から遠隔地へと輸送する場合、そのコストはさらに高くなります。特に、冬季には寒冷地からの輸送が難しくなり、これも価格の高騰を引き起こす要因となります。
●需要と供給のミスマッチ
消費者の需要と供給がうまくバランスを取れていないことも価格上昇を招いています。消費者は「欠品」を避ける傾向にあり、小売業者や食品業界は安定供給を求めて高値で野菜を購入することが多く、これが相場を引き上げます。特に、季節外れの野菜や品薄な品目に対する需要が集中すると、価格が一層上昇します。
●中間流通業者に対する誤解
また、一部では中間流通業者が価格を引き上げているとの誤解もありますが、実際には卸売業者の取り分は比較的小さく、農林水産省の調査によれば、卸売業者の取り分は小売価格の約5.2%に過ぎません。中間流通業者は食料供給の安定性を支える重要な役割を果たしており、卸売業者の機能を過小評価してしまうことは、供給の安定性を損なう可能性もあります。
業務用野菜仕入れ担当者が直面する課題
野菜価格高騰の影響を直接受けるのが、業務用野菜を扱う食品仕入れ担当者かと思います。仕入れ担当者は、価格の急激な変動や供給不足によるメニュー変更、品質維持に困難を感じる場面が急速に増えており、これらの課題に対して適切に対策を講じる必要がありますのでまずは、原因を整理しておきましょう。
●価格の急激な変動
仕入れコストが急激に増加するため、予算を超えてしまうケースが増加しています。これにより、コスト管理が難しくなり、業務運営に支障をきたすことがあります。
●供給不足によるメニュー変更
必要な食材が手に入らない場合、メニューの変更や代替品の使用が求められます。これにより、事前に立てたメニュー計画が崩れ、顧客満足度の低下を招く可能性があります。
●顧客満足度の低下
価格の高騰分を顧客に転嫁すると、価格に敏感な消費者が離れてしまうリスクが高まります。そのため、価格転嫁のタイミングや方法にも注意が必要です。
野菜価格高騰への対策
野菜仕入れ担当者がこの状況に対応するためには、以下のような具体的な対策がまず先決ですので、定石とされている対応を確認していきましょう。
●地元産の活用を増やす
地元の生産者との直接取引を拡大することは、輸送コストを削減し、安定的な供給を確保するために非常に有効です。地産地消を推進することで、地域経済にも貢献することができ、長期的な安定供給にも繋がります。極端な例ですが、輸送コストがかかるような沖縄県などでは我々が感じている以上の野菜価格高騰が発生しています。ですが、沖縄県にも野菜卸市場はありますので、活用しながら地元産の野菜を仕入れるルートを構築していくことが活路です。例えば、「キャベツ」や「トマト」のように高需要で価格が上昇しやすい品目は、年間契約を結ぶことで安定的な供給を確保できます。
●多様な仕入れ先の確保
一つの産地に依存せず、複数の仕入れ先を確保することで、特定の産地での不作時にも柔軟に対応できます。特に、葉物野菜や根菜類は産地によって生育状況が異なるため、産地を分散させることが重要です。「ねぎ」や「ほうれんそう」などの葉物野菜は、主産地に依存しすぎない調達計画を立てるべきです。当ブログでは、産地リレーという考え方を元に業務用野菜卸を活用する方法を提案しています。
●加工済み野菜の活用
カット野菜や冷凍野菜など、加工済みの野菜を積極的に活用することで、調理の手間を省きつつコストを抑えることができます。また、これにより労働力不足にも対応でき、業務効率が向上します。例えば、国内産「ブロッコリー」の代わりに、冷凍品や加工済み野菜を一時的に採用することでコストを抑えられます。こちらについても業務用野菜卸を活用することで対応ができます。
●余剰野菜の有効活用
いわゆる、B級野菜といわれている形が不揃いの規格外野菜を取り入れることで、コスト削減が可能です。B級野菜、規格外野菜という名前を聞くとイメージが悪いかもしれませんが、味や栄養面は全く通常の野菜と変わりませんので調理をしてしまう飲食店にとっては野菜の見た目は関係ない場面が多いかと思います。弊社アジアインタートレードでも取扱をしていて、人気のお取引となっています。
●消費者教育の推進
消費者に対して季節による供給の変動や、野菜の価値について理解を深めてもらうための教育活動も重要です。例えば、「旬の野菜を楽しむ」キャンペーンなどを実施し、季節の変動に対する理解を促すことができます。
●卸売市場の活用強化
卸売市場を利用することで、多様な産地からの野菜を確保でき、供給が不安定な状況でも代替品を提案してもらうことができます。業務用野菜卸を積極的に活用することで、安定供給を維持することが可能となります。くどいようですが、業務用野菜卸を活用することでコネクションを作ることができますので慣れない方は、まずは業務用野菜卸の担当者から情報を仕入れていくことがおすすめです。
●. 予測データの活用
農林水産省が発表する価格見通しを定期的にチェックし、先を見越した仕入れを行うことで、高騰による影響を最小限に抑えることができます。
代表的な野菜価格の見通し
前項で、予測データの活用として農林水産省の価格見通しのチェックを上げましたので現在発表されている代表的な野菜の見通しをご紹介いたします。
【価格が大幅に上昇する品目】
●だいこん・にんじん・キャベツ
主産地の不作により、これらの根菜や葉菜は平年を大きく上回る価格が予想されています。仕入れの優先順位を見直す必要があるでしょう。
●トマト・きゅうり・ピーマン
果菜類も高温や低温の影響を受けており、小玉化が進んでいます。
【価格が比較的安定している品目】
●さといも・たまねぎ
これらの品目は一部地域で平年並みの価格が見込まれています。ただし、1月下旬以降の供給量には注意が必要です。
●ばれいしょ
北海道産の収穫・貯蔵が完了しており、供給は安定しています。
以上のような情報は毎月確認ができますので、必要な野菜に合わせて対策でご紹介した方法を試していきましょう。また、弊社アジアインタートレードでも多数の業務用野菜卸を活用した対策がございますので次項にご紹介いたします。
弊社アジアインタートレードのご紹介
アジアインタートレードでは、全国100以上の野菜卸業者から最適な価格で新鮮な国産野菜を仕入れることができます。全国の卸売市場に対応し、最適な価格での仕入れと配送が可能です。
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