年中見かけることができるじゃがいもですが、生産量日本一は圧倒的に北海道なのでスーパーで見かけるのも北海道が多いかと思います。しかし、2~4月に収穫する新じゃがと言われているものについては、産地がちがうため仕入れのコツが必要となっています。今回はこの新じゃがについてご紹介しています。
新じゃがの特長と九州産の優位性
九州、日本の南西部に位置するこの地域は、温暖な気候と豊かな土壌が特徴です。そのため、野菜の栽培に非常に適しており、特にじゃがいもの生産においては優れた品質が生まれます。新じゃがは、この九州地域が持つ恵まれた環境と技術が生み出す逸品であり、飲食店の仕入れ担当者にとっても魅力的な食材です。
新じゃがは、その名の通り、収穫後すぐに市場に出荷される新鮮なじゃがいものことを指します。九州産の新じゃがは、その鮮度と品質の高さで知られています。温暖な気候と豊富な降水量が新じゃがの育成に適しており、特に春作の収穫は品質が最高潮に達します。九州の土壌は肥沃であり、じゃがいもにとって理想的な栽培環境を提供します。その結果、九州産の新じゃがは、甘みと風味が豊かで、やわらかな食感が特徴です。
九州の地域ごとに微妙な気候の違いがありますが、それが新じゃがの風味にも影響を与えます。例えば、鹿児島の暖かな気候は、じゃがいもの甘みを引き出し、独特の風味を生み出します。一方、長崎の湿度の高い気候は、じゃがいもを柔らかくし、滑らかな食感をもたらします。それぞれの地域が持つ気候条件が、九州産の新じゃがの個性を形作っています。
新じゃがの仕入れについて
飲食店の仕入れ担当者が九州産の新じゃがを仕入れる際には、いくつかのポイントに注意する必要があります。まず、九州産の新じゃがの旬を把握し、収穫時期に合わせて適切なタイミングで仕入れることが重要です。春作の収穫は特に品質が高く、需要もピークに達しますので、旬の時期にしっかりと仕入れることが肝要です。また、生産地と直接取引を行うことで、鮮度を保ったまま迅速に商品を入手することができます。さらに、九州産の新じゃがの特長を十分に活かすために、メニュー開発や料理法の工夫も重要です。
例えば、鹿児島産の新じゃがを使った地元の郷土料理をメニューに取り入れることで、地域の特色を生かした料理を提供することができます。また、新鮮な状態で提供するために、仕入れた新じゃがは適切な保存方法で保管し、品質を損なわないように注意することも大切です。九州産の新じゃがは、その魅力的な風味と品質を活かして、飲食店のメニューに新たな価値を提供することができます。
飲食店の仕入れ担当者が九州産の新じゃがを活用する際には、その魅力を最大限に引き出すことが重要です。そのためには、品質の高さを保つための仕入れルートや保存方法を工夫し、新鮮な状態で提供することが求められます。また、料理開発やマーケティング戦略を通じて、新じゃがの風味や旬の味わいを消費者に伝えることが重要です。九州産の新じゃがは、その豊かな味わいと風味があり、飲食店のメニューに新たな魅力を与えることができる食材です。
新じゃがの活用方法とは?
九州産の新じゃがを活かした料理開発は、飲食店の魅力を高める重要な要素の一つです。その鮮度と風味を最大限に引き出すために、繊細な調理法や味付けが求められます。九州産の新じゃがは、そのやわらかな食感と甘みが特長であるため、シンプルな調理法でもその美味しさを堪能することができます。例えば、蒸し焼きや揚げ物、グリルなどの調理法が適しています。また、新じゃがの皮ごと調理することで、食感や栄養価をさらに引き出すことができます。
新じゃがを活かした料理のアイデアとしては、鹿児島の郷土料理である「じゃがバター」や「じゃがいも煮」などを取り入れることが挙げられます。また、ローストポテトやポテトサラダなどの定番メニューも、九州産の新じゃがを使用することで一味違った味わいを提供することができます。さらに、季節ごとのメニュー開発や限定メニューを導入することで、顧客の興味を引きつけることができます。
新じゃがと普通のじゃがいものちがいとは?
新じゃがは、じゃがいもが完熟する前に収穫されるため、水分が多くて柔らかい特徴がある。一方、普通のじゃがいもは完熟後に収穫され、より硬く、デンプンが多いのがちがいです。そして新じゃがの旬は5〜6月であり、その中でも九州産は3月が収穫時期で流通が始まりますので、仕入れのコツとなります。また、普通のじゃがいもの旬は10〜11月ですが地域によって収穫時期が異なるため、価格を抑えて仕入れるためには産地を分けて仕入れることがポイントです。
新じゃがの栄養素は?
新じゃがは普通のじゃがいもよりも2〜4倍のビタミンCを含み、免疫機能の向上や美肌効果に貢献すると言われています。ビタミンC は収穫後時間が経つにつれて減少する傾向にあるため、収穫後すぐに出荷される新じゃがには、じゃがいもよりも多くのビタミンCが残っているという理由です。また皮ごと調理が可能なため、皮に含まれるビタミンやミネラルなども、くまなく栄養を摂ることができます。炭水化物の供給源としての役割としてエネルギー源となる炭水化物が豊富であり、ヘルシーなダイエットにも適しているのがメリットです。さらに、カリウムは体内の余分なナトリウムや水分を排出し、高血圧予防に効果的。ナイアシンは粘膜や皮膚の強化に寄与してくれます。
新じゃがはみずみずしく、皮がうすく、皮をむかずにそのまま食べられます。軽く洗えば皮をむかずにそのまま調理可能なので調理時間が大幅に短縮できます。
秋に採れて貯蔵されている通常のじゃがいもとは違う味や食感があり人々に好まれています。水分量は品種によって違いがありますが、早めに収穫された新じゃがは、水分の量が多くなります。水分が少ないほど、食べた時の食感がホクホクしていますが、水分が多いと荷崩れしにくいという特徴があります。
特におすすめは長崎、鹿児島県産
長崎はじゃがいも(ジャガタラ芋)伝来の地といわれていますが、もともとじゃがいもの生産に気候の適している冷涼な北海道での生産と比べ、長崎では気候に合うように品種改良が行われてきました。ニシユタカ、デジマ、アイユタカといった品種が有名です。また、じゃがいもの生産量が北海道に次いで2位の鹿児島ではニシユタカ、ゴールド、メークインといった品種が有名です。余談ですが、じゃがいもという名前の由来は、オランダ人が東洋貿易の根拠地としていたジャワ島のジャカトラから来たことから「ジャガタラ芋」となり、これが後に「じゃがいも」となりました。
新じゃがは、通常のじゃがいもよりも皮が薄く、水分が多い分、長期保存には全く向いていません。すぐに使い切らない時は、新聞紙やキッチンペーパーにまとめて入れて、冷暗所で1週間~10日を目安に保存します。日が当たると皮が緑色に変色して、中毒症状を引き起こす天然毒素(ソラニン、チャコニン)が増えるので、日光には注意しましょう。皮が緑色になっている場合は、皮ごと使うのは気をつけましょう。緑色の部分はがなくなるまで、皮を厚めにむいてから調理がおすすめです。ちなみに新じゃがは収穫した直後のじゃがいもなので、発芽の心配はありません。
今回はいよいよ3月が旬となる新じゃがについてご紹介致しました。弊社アジアインタートレードでは、ご紹介した生産地から遠い場所のお客様でも全国100以上の卸値を検索して比較することで、価格が安く、より店舗に近い卸先からの配送することが可能で、新鮮な野菜が手に入ります。低価格と新鮮を両立した食材を仕入れるお手伝いを行っておりますので、お役に立てる情報があるかと思います。ぜひご覧いただければ幸いです。