若採りのらっきょうは、市場に出回り始めた当初、「エシャロット」と呼ばれていました。
しかし、小型たまねぎの一種で、フランス料理やイタリア料理に用いられる香味野菜「シャロット (英名)」のフランス名が「エシャロット」で、前者と混同されたことから、若採りのらっきょうの方は「エシャレット」や「エシャ」と、小型たまねぎの方は「ベルギー・エシャロット」と 呼ばれるようになりました。厳密には全く別種の野菜ですが、似たような野菜として扱われている例も多いです。今回は今が旬のらっきょうについてご紹介していきます。
らっきょうとエシャレットの1番の違いは?
らっきょうとエシャレットは、形状や風味が異なるため、用途も異なります。1番の違いは料理の用途です。
らっきょうは、球根を食用とする野菜で、皮をむいて薄切りにしたり、酢漬けや味噌漬けにしたり、炒め物や煮物、炊き込みご飯などの料理に使われます。らっきょうは、辛味と風味が強いため、料理のアクセントとして活用されることが多いです。
一方、エシャレットは、細長い葉と白い部分からなる野菜で、ネギやニラに似た風味があります。エシャレットは、フランス料理によく使われる野菜で、スープやソース、サラダなどに使われます。また、料理の香りづけや飾り付けにも利用されます。らっきょうは主に日本料理で、球根を使った料理に使われ、エシャレットはフランス料理で、葉や白い部分を使った料理に使われる、異なる用途を持つ野菜です。
らっきょうとエシャレットの旬は?
らっきょうの旬の時期は、4月から6月にかけてです。特に5月が最も旬の時期とされています。この時期には、新鮮で甘みが強く、食感がよく、香りも豊かならっきょうが市場に出回ります。
らっきょうは、根菜類の一種で、春先に栽培されます。春先に育ったらっきょうは、ふっくらとした球根になっていて、味も風味もよくなります。旬の時期には、市場に新鮮ならっきょうが豊富に出回りますので、これからの時期は非常に良いらっきょうが調達できます。
エシャレットの旬の時期は、主に春から初夏にかけてです。一般的に、エシャレットの収穫時期は、4月から7月頃までとされています。この時期には、新鮮で香り高いエシャレットが手に入りやすくなります。
ただし、気候や栽培方法、生産地によっては、収穫時期が多少異なることがあります。また、エシャレットは、一度収穫すると再生する性質があるため、一年中収穫できる場合もあります。
らっきょうとエシャレットの栄養価は?
らっきょうは以下の栄養価が豊富です。
糖質:主に果糖やグルコースで、エネルギー源となります。
食物繊維:腸内環境を整えたり、便秘の予防・改善に役立ちます。
ビタミンB1:糖質の代謝に必要なビタミンで、エネルギー代謝に関わります。
ビタミンB2:細胞の代謝に必要なビタミンで、肌や粘膜の健康維持に役立ちます。
ビタミンC:免疫力を高める作用があります。
ポリフェノール:抗酸化作用があり、老化や生活習慣病の予防に役立ちます。
また、らっきょうには、アリシンという成分が含まれています。アリシンには、抗菌作用や血圧降下効果があるとされています。このアリシンである硫化アリルの含有量ではにんにくやたまねぎに劣るものの、他の野菜と比べても十分な含有量があります。ビタミンB1やB2、食物繊維については、他の野菜と比べても十分な含有量があると言えます。
対して、エシャレットは以下の栄養価の状況です。
ビタミンC:免疫力を高める作用があります。
ビタミンK:血液をサラサラにする作用があります。
フォレート:細胞の成長や再生を促進する作用があります。
カリウム:体内の水分バランスを調整する作用があります。
ファイトケミカル(アリシン):抗酸化作用や抗菌作用があります。
ただし、エシャレットの栄養価は、他の野菜に比べるとやや低めです。また、栄養素の含有量は、生産地や栽培方法、収穫時期によっても異なることがあります。
らっきょうとエシャレットの生産シェアは?
らっきょうの生産量の日本一は鳥取県で、全国シェアは29.1%。生産量1位の鳥取県、2位の鹿児島県、3位宮崎県の3県あわせて、国内生産量の約74%を生産しています。
エシャレット生産量の日本一は茨城県で、全国シェアは76.4%です。生産量1位の茨城県、2位の静岡県の2県だけで、国内生産量の約98%を生産しています。特に、茨城県の霞ヶ浦と北浦に挟まれた「なめがた台地」を中心に生産されていて、日本ではエシャレットが馴染みではなかった30年前から生産に取り組まれている土地です。
らっきょうもエシャレットもどちらもこの時期に美味しく、調達しやすい季節となりますのでメニュー提案にいかがでしょうか?
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