甘みが強く、風味が豊かな新玉ねぎの季節ですね。新玉ねぎは、玉ねぎが若いうちに収穫されるため、皮が薄く、水分が多く、甘みが強く、風味が豊かです。生で食べたり、サラダなどの料理に使うと、さっぱりとした爽やかな味わいが楽しめますので毎年楽しみにされている方も多いかと思います。その中でもさらに、春先にしか食べられない葉たまねぎはご存知でしょうか?今回はめずらしい野菜の葉たまねぎについてご紹介しています。
葉たまねぎってなに?
「葉玉ねぎ」はネギの一種で、主に茎の部分が長く、葉っぱの部分が短く太い形状をしているもので、葉付きのまま若い状態で収穫した玉ねぎです。一般的な玉ねぎは、玉の部分(鱗茎部)が大きくふくらみ、葉が枯れてから収穫しますが、葉玉ねぎは成長途中に葉ごと収穫します。そのため、長ねぎのような葉と小さな玉ねぎの部分の両方を味わえるのが特徴です。通の玉ねぎが9月中旬に種をまいてから約8ヶ月間で収穫するのに対し、葉たまねぎは8月中下旬に種をまいてから、わずか約4ヶ月半で収穫となります。
葉たまねぎは、普通のネギと比べて香りがよく、シャキシャキとした食感があります。また、ビタミンCや食物繊維が豊富で、栄養価も高いと言われています。
玉ねぎとの大きな違いは、葉の部分も食べることができる点。葉の部分もやわらかく甘味を含んでいるのが特徴ですよ。
葉は長ねぎよりやや肉厚で太め。甘味があってやわらかく、少し粘り気もあります。また、玉の部分は辛味が少なく水分が多めです。旬の時期は1月から3月頃までなので、そろそろ市場ではお見かけしにくくなります。
葉玉ねぎの多くは白玉ねぎの早生種を用いますが、黄玉ねぎの間引きで生じたものを出荷していることもあります。
特に、千葉県の長生郡白子町や長生村は、九十九里南部の砂質土壌が玉ねぎ栽培に適していて、葉玉ねぎも多く作られています。
葉玉ねぎの栄養のちがいは?
ビタミンCの含有量:葉玉ねぎは、通常の玉ねぎに比べてビタミンCの含有量が多い傾向があります。ビタミンCは、免疫力を高める働きや、コラーゲンの生成を促す効果があります。
カルシウムの含有量:葉玉ねぎには、通常の玉ねぎに比べてカルシウムの含有量が多い傾向があります。カルシウムは、骨や歯を丈夫にする働きがあります。
食物繊維の種類と含有量:通常の玉ねぎには、水溶性食物繊維が多く含まれています。一方、葉玉ねぎには、不溶性食物繊維が多く含まれています。不溶性食物繊維は、腸内環境を整えたり、便通を促す効果があります。
カロリーの差:葉玉ねぎには、通常の玉ねぎに比べてカロリーが低い傾向があります。
以上のように、通常の玉ねぎと葉玉ねぎには、主にビタミンCやビタミンK、βカロテン、葉酸、カルシウム、食物繊維の含有量や違いがあります。鱗茎部分には通常の玉ねぎ同様、硫化アリルやケルセチンが含まれています。どちらも栄養価が高く、健康に良い食材、色んなメニューに取り入れることができるので旬を楽しみたい野菜ですね。
なぜ葉玉ねぎは千葉県で盛んなの?
葉玉ねぎは、九十九里浜の南部に位置する長生郡白子町と長生村で盛んに栽培されており、千葉県は日本一の生産地です。
ミネラル豊富な砂質土壌と塩分をたっぷり含んだ潮風が、玉ねぎ栽培に適していたため、昔からたくさんの玉ねぎが栽培されていました。
葉たまねぎの始まりの歴史は、かつて暖冬で生育が進みすぎた玉ねぎが次々に分球(玉ねぎが株別れしてしまう現象)して、売りものにならなくなってしまった際に始まりました。農家では「葉ごと食べる若どりの玉ねぎ」を食べる文化があったのでこれを出荷したのが始まりとされています。
以来、甘く肉厚で栄養価も高い若どりの玉ねぎは、冬から春先にしか食べられない貴重な野菜として親しまれています。
長生郡生まれの葉を食べる玉葱なので「ながいき葉玉ねぎ」と名付けられ、ブランド野菜となっています。
美味しい葉玉ねぎは
①白い肥大部分がややふくらんでおり、しまっていて弾力とツヤのあるもの
➁玉が肥大しすぎておらず、葉の部分のボリュームがあり、葉物の素材としても、十分楽しめるもの
白い肥大部の切り口が変色していないもの葉は先まで緑色で鮮明なもの
がポイントになっていて、酢味噌で和えたぬたで楽しまれることが有名な料理です。
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