野菜の中でも年間を通して比較的価格のブレが少なく調達できるじゃがいも。旬が関係なく購入できるように感じてしまいますね。なぜこのようなことが起こるか考えたことがありますか?これには「産地リレー」という仕組みが使われています。作物の栽培技術が向上した結果、野菜・果物ごとにその土地での旬が、細長い日本の地形を利用して、次々にリレーのように移動していくことを、産地リレーと呼びます。 これにより、安定的に野菜を通年、供給していく仕組みが可能となります。じゃがいもは北海道産のイメージが強いですが、様々な地域から流通していることについてご紹介しています。
産地リレーとは?
産地リレーとはその旬を迎える時期が場所により異なるということを前提として全国各地で旬となる時期をリレーしていくことで、一番おいしい野菜を常に提供することができる方法になります。
例えば、じゃがいもでは主な産地として知られるのが北海道ですが、北海道のじゃがいもは秋が最も旬の季節としていて9月~12月の4か月間で年間の約55%出荷しています。通年じゃがいもを出荷している北海道といえども、旬以外の季節は生産が少なくなります。
そこで、秋の終わりから冬にかけてじゃがいもを栽培する地域にバトンを渡します。その地域とは鹿児島県や長崎県など九州地方です。
そして、その次は冬から春にかけて静岡県、千葉県からのじゃがいもの出荷が多くなってくるように日本列島をスライドしていきますこうして産地をリレーすることで一年中じゃがいもが食べられるということになります。
こうした産地リレーをすることで得られるメリットは一年中食べられるというだけでなく、安定した価格で一年中提供できるということもメリットとなります。多くの野菜が飲食店や食卓に並ぶまでにはこのような産地リレーという仕組みが必ず関与しているのです。
地域によるじゃがいもの特徴
●北海道
じゃがいも生産量・収穫量とも全国1位。作付面積は全国の約7割、収穫量は全国の約8割を、北海道が占めており、男爵やメークインを中心に約50もの品種が作付けされています。貯蔵によって年中出荷を可能にしているため、じゃがいもといえば北海道産というイメージが持たれている理由の1つです。まさにこれからの秋が旬となります。
●鹿児島県
赤土という特殊な土壌で育てた赤土じゃがいも、さらに新じゃがのゴールドというブランドじゃがいもが存在します。1月には徳之島・種子島から、出水地区の5月まで鹿児島県内でも産地リレーして出荷されている珍しい地域です。
●長崎県
じゃがいもは、約400年前の慶長年間(1600年前後)にインドネシアのジャカルタから長崎に入ったと言われていますので、日本のじゃがいも発祥の地は長崎県なのです。狭い海岸線の耕地も段々畑で活用し、島原半島全体が一大産地になっています。アイユタカ・さんじゅう丸など長崎独自の品種も栽培しています。
●静岡県
箱根西麓や三方原台地が代表する産地で、温暖な気象と肥よくな土壌という条件に恵まれ、最高の品質を誇ります。「三方原男爵」で名の通ったブランドじゃがいもです。徹底した風乾・選果選別が行われています。一つ一つセンサーにかけ、でんぷん含有量の基準を満たしものだけを出荷しているので、品質・食味での人気があります。
●千葉県
6月~7月にかけての北海道産が最も少なくなる時期、千葉県のじゃがいもが出回る時期となります。中心品種は早生白・とうや。作付け面積の大部分で加工向け原料を栽培しています。
●茨城県
中心品種はとうや、メークインですが加工用でのじゃがいもが多く栽培されており、西南暖地産と北海道産の間をつなぐ産地です。
今回は秋に旬となる北海道産のじゃがいもの産地リレーについてご紹介しました。弊社アジアインタートレードでは、全国100以上の卸売市場から最安値でお取引できる取組を行っていますのでお役に立てる情報があるかと思います。ぜひ下のリンクボタンから弊社の業務用野菜卸のご紹介ページをご覧いただければ幸いです。