フードロスの環境に与える影響
令和3年に農林水産省が発表した「フードロスの発生量の推計値(平成30年度)」によると、年間のフードロスは約600万トンとなっています。これは、日本国民1人当たり「お茶腕約1杯分(約130g)の食品」が毎日捨てられていることになり、年間では47kg。さらに、この食品廃棄物を処理するために要する費用は年間で約2.1兆円にものぼっています。
以上のようにフードロスはもったいないだけでなく、費用としても国に大きな負担となっています。その一方で、世界全体としては食べ物にを十分に食べることができない子供は10人に1人と言われています。私たち1人1人ができることを日々見つけていくことで、フードロスの状況は改善できるのではないでしょうか。
スーパー、飲食店が廃棄する賞味期限切れ食品の廃棄が環境に与える影響
フードロスについてはテレビ、ネットニュースで取り上げられるのは飲食業界、スーパー、コンビニなどが多いため何となく多いイメージがあると思いますが、どのくらい発生しているのでしょうか?先ほど、農林水産省省の発表によると年間約600万トンのフードロスが発生しているとご紹介しましたが、事業系とご家庭のフードロスの内訳の調査結果は以下のようになっています。
「フードロス量の内訳」
・事業系フードロス:324万トン
・家庭系フードロス:276万トン
事業系のフードロスは、主にや小売店での賞味期限切れなど売れ残り、飲食店では調理の過程やお客様の食べ残しなど、様々な原因があります。やはり、私たち1人1人が食に対する購入、消費意識を見直していくことが有効なのではないでしょうか。例えば、 スーパーなどでは賞味期限が近いものが見切り品として、少量パックや安価で販売することで完売を目指したり工夫をされています。飲食店でも調理の過程で出る野菜くず、食べきれない分は持ち帰りバッグの提案など、最近では賞味期限切れでの廃棄を防ぐ工夫を実施しているお店が増えてきています。
賞味期限切れ食品をなくすことによる環境への貢献
世界の栄養不足人口は世界人口の約10分の1、最大で8億1,100万人(2020年データ)。飢餓状態に陥っている人は現在のコロナ禍でさらに進んでいる状況です。世界の人口は2050年には97億人、2100年には109億人になると言われており、このままでは将来、飢餓に苦しむ人が更に増える見込みです。先ほどご紹介しました、賞味期限切れの食品を有効に活用することでどれだけの人を救うことができるでしょうか?
加えて、国際目標として掲げられいるSDGsの目標の中でフードロスについて明記されている目標12というものがあるのでご紹介致します。
目標12では、「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおけるフードロスを減少させる。」と掲げられています。焼却や埋め立てなど、フードロスで発生した食品廃棄物を処分する過程で発生するガスにも、温室効果からの環境汚染があると言われています。
2014年にFAO(国際連合食糧農業機関)が行った調査によれば、フードロスによって廃棄・処理されて発生するガスは、全体の約8%を占めています。
このように、フードロスは食料不足の問題だけでなく、環境汚染にもつながっていますす。大きな視点での背景をご紹介しましたが、私たち1人1人が賞味期限を切らすことなく工夫する、また再利用の工夫をしてフードロスを意識していくことが、大切なのではないでしょうか。
今回はフードロスについてご紹介致しました。弊社アジアインタートレードでは、全国100以上の卸値を検索して比較することで、無駄なく効率的に野菜を調達するお手伝いを行っております。また、規格外野菜の有効活用にも取り組んでおりますので、お役に立てる情報があるかと思います。ぜひご覧いただければ幸いです。