野菜卸から仕入れるメリットとは?

「スーパーで売られている野菜の値段の9割は中間マージン」という記事をご覧になったことはありますでしょうか?現在は元記事が削除されてしまいましたが、実はこちらは誤った内容だったため衝撃の内容で一時ネット上が騒然となりました。では、この記事の正しい解釈での中間マージンはどのくらいかと言うと、スーパーの野菜価格が200円だったとすれば生産者の農家さんの手取りは約105円というのが正しい内容でした。野菜によっての違い、地域によって運送費の違いなど色んなケースがあるので一概に同じとは言えませんが、農家さんの出荷価格と小売価格にはちがいがあるのは間違いありません。それなら、野菜を調達するときは農家さんから直接仕入れることができれば一番新鮮で低価格で手に入るじゃないか!と思うかもしれませんが、そううまくいかない理由と野菜卸から仕入れるメリットについてご紹介致します。

 

野菜卸から仕入れるメリット

最もメリットになる点は「安い、鮮度良い野菜が仕入れられる」ことです。スーパーなど小売店も卸業者から購入した野菜を店頭で販売していたり、スーパーの利益を取るためにもちろんマージンとして価格が上乗せされています。こういった理由から、マージンがなくなる分だけ安く調達ができますし、スーパーの店頭で陳列されている時間をロスしないので新鮮な野菜を調達することができます。その他にも、野菜の目利き、知識が増えるという点で、野菜卸業者は野菜のプロとして毎日たくさんの野菜と向き合っているため、その目利きと知識量に触れることができるのは親しくしている際の大きなメリットになります。時には、スーパーでは仕入れることができない貴重な野菜と出会って調達することができることもあります。市場はコミュニケーションが非常に重要で、気さくな方が多いです。また、生産者、買い手や業者も同じメンバーが何度も顔を合わせる事が多いので仲良くなって繋がりを作り、得意先になることで様々なサービスを提案してくださる業者の方も中にはいらっしゃいます。

 

野菜の流通の仕組み

※農林水産省の資料から抜粋

 

野菜卸ではなくて「直接農家さんから仕入れをすれば安く仕入れることができるじゃないか?」という疑問が起こると思いますが、たしかに中間マージンの発生する原理の川上であればあるほど安く調達できます。しかし、摂れた野菜を市場に出すための農家さんの作業は物流、温度管理、野菜の洗浄、出荷規格の仕分け、ラベル表示の取り付け、価格の設定、包装…など、消費者がスーパーで野菜を買っている際のイメージとはかけ離れた膨大な作業が存在します。そのため、生産者である農家さんも出荷業者や卸売業者と取引をすることで上手にこの作業を委託しながら野菜を出荷しています。この上記図の流通ルートに乗った野菜を安価で調達するには、結論、卸業者である野菜卸から仕入れることが1番になります。その理由については、卸売市場の仕組みについてご紹介していきます。

 

卸売業者と仲卸業者のちがい

1番大事なことを最初に記載します。「大口販売か小口販売か」が最もちがう点になります。例えば、キャベツ1ケースだけ、5玉だけのような小口販売ができるのは仲卸業者になり、卸売業者では不可とうことです。中間マージンを抑えるためできるだけ流通の川上で調達をするほうが安価で調達できると考える方が多いと思いますが、卸売業者から調達できるのは大口購入ができる大手チェーン飲食店やスーパーなどに限った調達方法となります。小~中規模の飲食店や小売店、消費者の購入量からすると小口販売となる仲卸業者から調達するのが一般的になります。また、卸売業者や仲卸業者は知事などの公的な許可が必要な職種になりますので、一般の方が市場で飛び入り参加して購入することは非常に難しいです。仲卸業者が卸売市場内でセリなどの取引で購入し、仲卸業者が小分けにして販売するという流通過程が慣習となっていますので、卸売業者→仲卸業者に流通する過程で野菜の価格の相場を作り出すという役割にもなっていて、この間に一般の方が割って入って調達するのは難しいと言えます。

 

野菜卸を上手に活用すべき理由

●野菜調達の手間が省ける

野菜の調達が必要となるたびに、調達先と0から契約を結んだり、その他の業者の価格、サービスを比較するのは非常に手間とコストがかかります。こういった手間とコストを毎回かけるのは飲食店の場合など、本業に影響が出てきますので安定した品質、価格、サービスの野菜卸を活用することをオススメします。

 

●一定基準以上の野菜品質が期待できる

現在はネットを活用すれば、色んな野菜の調達先が見つかります。しかし、簡単に見つかる仕入れ先だと品質や価格が心配となりますが、野菜卸の場合は日々市場に野菜を流通させているプロになりますので、ある一定の基準は満たすことができると思います。

 

●安定供給で欲しい時にちゃんと調達できる

例えば、調達先の野菜が品切れを起こしたり、品質が劣化したりした場合、他の調達先を探さなくてはいけません。そうするとまた、調達先を探すコスト、手間をかけてる必要がでてきます。特に野菜は、時季によって供給が大きく変化するという特徴があります。現在、長雨の天候不順で野菜価格が高騰してますように、葉物野菜などでは、1週間も経てばまったく違う供給量になることがあります。供給が日々変化する状況で、需要と供給を一致させるために、流通の拠点となっている野菜卸を活用することは有効な調達手段だと思います。

 

●生産者、農家さんと取引する場合のデメリット

 

生産者と直接取引をすることができた場合、安価で仕入れることができたり、思ってもみないオマケやサービスをしてくれたり、多少の無理を聞いてくれたりなど一見メリットがあるように感じます。しかし、持ちつ持たれつの関係になることが多く、「普段オマケをしてもらっているから…」と予定よりたくさん仕入れをお願いされたり、逆に無理をきいてもらうこともあります。また、上記ご紹介した品質や供給量、スイッチングコストという点では非常にデメリットになるのではないでしょうか?このような点を踏まえて、直接に生産者と取引をするよりも調達のメリットが多く、小売店から仕入れるよりも価格を抑えることができる野菜卸は上手に活用することが良い理由になります。

 

今回は、野菜卸から仕入れるメリットについてご紹介致しました。弊社「アジアインタートレード」では全国100以上の卸値を検索して比較することで、価格が安く、より店舗に近い卸先からの配送できる調達先を探す仕組みを使って飲食店の方々のお手伝いをしております。ご活用いただけるサービスもあるかと思いますので一度ご覧いただければ幸いです。