食のあり方が変わっている現代。その中で肉を人工的に作った農畜産商品の代替産業に注目が集まっています。今回は、
・人工肉とはなにか
・なぜ人工肉が注目されているのか
の順に詳しく説明を行っていきます。
人工肉とは、牛や豚、鶏などの肉の味や食感を人工的に作り出した加工食品。しかし、実際に作ってみると最初の味はイマイチでした。パサパサしていたり、食感がもっさりしていたり、噛みごたえがゴムのように硬かったり・・・。そこで改良を重ね現在は実際の生肉のような食感と味覚を実現させることに成功したのです。
現在、食肉産業の市場規模は世界で年間7500億ドルと推定されているが、2040年に人間が食するのはほとんど人工肉に変わるだろうと英紙「カーディアン」が指摘しています。その理由として、肉食を減らそうという世界的な流れがあること、欧米を中心に急増しているビーガンが今後日本を含めたアジア全体で定着する可能性が高いからです。
ビーガンは、一般的に卵やチーズ、魚などを含む動物由来のものを一切口にしない人のことで、日本では、絶対菜食者と表現されています。英国では現在ビーガンになる人が急増しています。英ビーガン協会によると2018年は英国の総人口の1.6%に相当する60万人がビーガンでそのうちの42%は2018年ビーガンに切り替えた人なんです。首都ロンドンには80近くのビーガン専門レストランがあることからもビーガンの浸透の高さが伺えます。一方日本では食文化の違いからまだビーガンは浸透していませんが、健康に対する危機感や環境問題で今後注目が高まっていくことは間違いありません。
その中で先行しているのはアメリカです。代替肉メーカーの2強と言われているのがビヨンドとインポッシブルです。ビヨンドの代替肉は、アマゾン傘下で500店舗を構えるホールフーズ・マーケットなどが扱っています。一方インポッシブルではバーガーキングやサブウェイを通じて代替肉の提供を行っています。日本の食品メーカーも相次いで参入が始まっています。森永製菓では、社内ベンチャーから立ち上がった孫会社のSEE THE SUNが、動物性の素材を使わない植物性の代替肉ZEN MEATの開発・製造しています。原料の大豆に玄米を加え、食肉とそっくりの食感・味覚の再現しています。
健康思考が高まっている現代。日々のお肉摂取を人工肉に置き換え、より健康的に、そして環境にも優しくしていきましょう。